コラム

しびれるスパイス、【花椒】

2024.08.29

四川料理


麻婆豆腐・担々麺・火鍋など日本でも人気のメニューがたくさんある「四川料理」。
四川料理には特によく使われる3種類の香辛料があり、それらは「三椒」と呼ばれます。
 
 

三椒のなかの花椒


「三椒」とは、辣椒(唐辛子)・花椒・胡椒のことです。
花椒(かしょう:ホアジャオ)は、痺れるような辛み「麻」の代名詞です。
 
 

四川と三椒


中国の中でも四川地方は盆地で夏は温度や湿度が非常に高い地域です。
夏でも保存が効くように香辛料を使った料理が発達したと考えられています。
しかし、実は、唐辛子などが四川に伝わったのは17世紀、明の末期と言われています。
それまでは、保存のために塩や砂糖を多く使わざるを得なかった四川の料理事情が、三椒の伝来によって大きく変わり、今のように美味しくなったというわけです。
 

花椒


花椒は、食材以外にも漢方では健胃、駆虫作用があり、むくみにも良いとされ、大建中湯や烏梅丸などに使わています。薬膳に使われることもあるそうです。
香り成分としてゲラニオール、リモネン、クミンアルコール、シトロネラールなど。
辛味の成分は、ヒドロキシ-α-サンショオール (Hydroxy-α-sanshool) などのサンショオール誘導体とサンショアミドと、花椒にしか見られない栄養が詰まっています。
スパイスの中でも胃腸をイキイキと動かす働きが高いとされていますので、食欲がイマイチの方やお通じが滞りがちの方は、毎日でも取り入れるのがおすすめです。
夏バテ時期はもちろんですが、胃腸が弱って消化液が減るとウイルスが体内に侵入しやすくなるので、寒い季節も上手に使いたいですね。