栄養ドリンクで蓄積疲労?
2025.04.10

「疲労メッセンジャー物質」とは日々発生するものです。
疲れをとるには、それを分解して減らすことがポイントであることがわかりました。
ところが、、、『今すぐ疲れをとりたいから、とりあえず・・・』と、栄養ドリンクで「疲労メッセンジャー物質」を分解できるものを探してみても、ほとんど見つけることができません。
それどころか、ほとんどの栄養ドリンクは、2本、3本と飲んでいると、周りから『飲みすぎ注意!』と言われるようなものばかりです。
実は、従来の栄養ドリンクに配合されているメインの成分は「興奮剤」「糖分」「人工香料」です。
これでは、「疲労メッセンジャー物質」を分解できません。
飲んだ際に“よくある栄養ドリンクの味がするもの”には、疲労を紛らわすための糖分やカフェイン、化学物質が多く配合されています。
これらの臭いをごまかすために強めの味や匂いを入れる必要が出てしまうのです。
また、生薬配合と表示されていても、その配合量は少ない可能性が高いです。
疲労メッセンジャー物質とは
かつては、疲労の原因は疲労物質である「乳酸」の筋肉への蓄積が原因と考えられてきました。
現在は、この説は完全に否定されています。
新たに分かったことは、脳が「疲労メッセンジャー物質(疲労因子)」を受け取ることで疲労感が生まれるというものです。
「疲労メッセンジャー物質」は、活性酸素によって神経細胞が破壊されたときに最も多く生み出されます。
これにより、筋肉を使っていなくても疲れを感じる理由が明らかになったというわけです。
■ 分解
「疲労メッセンジャー物質」が分解されるメカニズムは、完全には解明されていません。
けれども、睡眠中に作られる「回復メッセンジャー物質(回復因子)」が傷ついた細胞を修復することによって、疲労メッセンジャー物質が分解されると考えられています。
それには、全身の抗酸化力と肝臓などの解毒力が大きく関わっているといわれています。
■ 回復
「疲労メッセンジャー物質」の分解を促進するためには、解毒力をサポートすることが有効と考えられます。
それには、以下の活用が良いです。
・ クエン酸やカルニチン、オルニチンなどの肝機能サポート成分
・ 竜眼肉や霊芝といった漢方などで体力の回復にも用いられる植物成分
■ 予防
「疲労メッセンジャー物質」が作られにくいように予防するためには、前もって抗酸化力を上げておくことが有効と考えられています。
・ 抗酸化力の高い酵素
・ 生薬に近い植物成分
これらの摂取が大切です。
また、筋肉や神経組織がダメージを受けるのを防ぐ、アミノ酸やビタミン類が不足しないようにすることも忘れてはいけません。
興奮メッセンジャーに注意
「興奮メッセンジャー物質」は疲労を蓄積させてしまいます。
脳は「疲労メッセンジャー物質」を一時的に無視して、疲労をごまかすことがあります。
それには「興奮メッセンジャー物質」がかかわっています。
たとえば、次のような場合に「興奮メッセンジャー物質」は作られ、疲労をごまかしてしまいます。
①緊張しているときやピンチの時
②達成感があるとき
③甘いものを食べたとき ….など
いままでのドリンク剤などは、この「興奮メッセンジャー物質」」を沢山作るように仕向けることで、疲労感をごまかすタイプのものでした。
しかし、これでは「疲労メッセンジャー物質」は減っているわけではありません。
よって、細胞のダメージも修復はされていないのです。
それどころか「興奮メッセンジャー物質」は、最終的には神経細胞を余計に痛めてしまうので、その刺激がなくなった時には、前よりも疲労感が増してしまいます。
これを繰り返すと、体のダメージ・興奮メッセンジャー物質が蓄積していき、最終的には過労で倒れたり肝臓病になってしまいます。
いわゆる「エナジードリンク中毒」や「ドリンク剤中毒」です。
命にかかわるケースも出ていますので、興奮系の生薬ばかりのものや、カフェインと糖分が主成分のものは避けた方が良いでしょう。